人見知りで、会話のきっかけにも悩んでいましたので、会話のきっかけ作りになるかと思い、この本を読んで見ました。
「雑談」の奥深さを感じる内容でした。
その本は、『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著 グロスメディア・パブリッシング)です。
この本は、以下の4部構成になっています。
- 「世界」の雑談と「日本」の雑談
- 強いチームをつくる「社内雑談力」の極意
- 武器としてのビジネスの雑談
- こんな雑談は危ない!6つのNGポイント
- 日本のビジネスマンは、天気の話から雑談に入る。これが常套句
- Google流の雑談は、お互いのプランや課題をシェアして、「どんなプランができるのか」「どんなアウトプットを(成果)を目指すのか」「どこに問題があるのか」についてオープンで「ざっくばらん」な情報交換をすることが目的。
- 具体的には
- 状況を「確認する」
- 情報を「伝える」
- 情報を「得る」
- 信用を「得る」
- 意思を「決める」
- 雑談を武器にフル活用することで、仕事のパフォーマンスを上げ、成果を出す。
- 日本のビジネスマンは、「雰囲気作り」を重視している。
※最も大事なのは、雑談を通じて成果を出す。
1.「日本」の雑談と「世界」の雑談
『「日本」の雑談と「世界」の雑談』では、主に以下のことが述べられています。
- 日本の雑談は、社交雑談と演技と決まり文句で構成されている。
- 海外では、「自己開示」※しながら、中身のある雑談をする。
※自己開示:自分の「思い」や「考え方」などを相手に素直に伝える。
→お互いの心理的な距離が縮まる。 - 雑談では、「自己開示」できる質問をする。
例:今日は暑いですね。
→これだけ暑いと週末は何をしているのですか?
※良好な人間関係を構築し、お互いに信頼感を深めていくには、雑談を通じて自己開示することが大事
- 「自己認識」について、次の3つを見つめ直してみることが大切。
- 「価値観」何を大切にしているのか?
- 「信念」何が正しいと思っているのか?
- 「希望・期待」何を求めているのか?
- 「自己認識」する→「自己開示」する→「自己表現」する→「自己実現」する
※日本のビジネスマンは、「自己認識」と「自己開示」が圧倒的に足りない。
- 世界の一線で活躍するビジネスマンが、雑談を通して手に入れたいこと。
- お互いに「信頼」できる関係を築く
- お互いが「信用」できることを確認する
- お互いを「尊敬」できる関係を作る
- 日本社会は、相手の気持ちや意図を「察する」「忖度する」「空気を読む」「行間を読む」というコミュニケーションが成立しやすいので、自己開示の必要がない。
- 雑談でラポールを作る。
雑談を通じて「信頼」「信頼」「信用」「尊敬」のある関係を築く。 - ビジネスの雑談は、「C to C」
- 世界のビジネスマンが雑談に求められるのは「リベラルアーツ」
- 無意味な雑談によって失われるもの
- 貴重な「時間」が奪われる。
- ビジネスの「可能性」がなくなる。
・相手に「刺さる」会話が出来なければ、確実にチャンスは消滅する。 - 「レピュテーション」(評判)をなくす。
・相手が興味を持つような雑談をする。
・月並みな雑談では信頼関係が築けない。
強いチームをつくる「社内雑談力」の極意
『強いチームをつくる「社内雑談力」の極意』では、主に以下のことが述べられている。
- 海外では、生産性を上げてアウトプット(成果)を出すための重要なツールとして雑談を戦略的に活用している。
- 雑談しているチームの方が、していないチームより圧倒的にパフォーマンスが上回っている。
- 職場の雑談の7つの「相乗効果」
①職場の人たちと仕事以外の「つながり」ができる。
②お互いの「信頼感」が高まる。
③職場の「心理的安全性」が高まる。
④「働きやすい環境」が生まれる。
⑤仕事の「モチベーション」が高まる。
⑥ミーティングで「発言」しやすくなる。
⑦会議の結論に「納得」して働けるようになる。
※雑談を通じて、お互いを知ったり、相手への関心を示すことにより「エンゲージメント」が高まり、風通しの良い職場が生まれる。
- 雑談の不在は、思わぬアクシデントを招くことがある。
→意思疎通できない。社内の情報が得られない等 - 雑談は「バイアス」(思い込み、決めつけ)を低減する。
- チームマネジメントという視点で見ると、メンバーとの雑談は有効なマネジメントツール
- 「キャリアカンバセーション」も雑談で対応できる。
- 「キャリアカンバセーション」の主なテーマ
- 現在、何に興味や関心を持っているか。
- 短期と長期の将来についての希望。
- 現在の目標や実現可能なキャリアの選択。
- 目標を達成するための準備や具体的nアクションの構想。
- 「キャリアカンバセーション」の主なテーマ
※ファーマルな形では相手が身構えて必ずしも本心が聞けない。
- 「オーバーコミュニケーション」を意識する。
「オーバーコミュニケーション」
→過不足なく、あるいは必要以上に細かく情報を発信すること。 - 雑談を商品のリサーチに活用する。
- 場所(居酒屋等)や時間を変えて質問すれば、答えが大きく違ってくることがある。
- 海外のビジネスマンは雑談を通じて可能性や解決策を探す。
武器としてのビジネスの雑談
「武器としてのビジネスの雑談」では、主に以下のことが述べられている。
- アジェンダを達成するための「下準備」として雑談を活用する。
- 雑談の最初のミッションは「確認作業」
- ポイント
- 相手の状況の確認
相手にその準備ができているかを事前に確認する。 - ビジネスの状況の確認
- 新たに必要となる情報の確認
- 相手の状況の確認
- ポイント
- ビジネスの雑談のポイント
- 「つながる」相手との距離を縮めて信用を作る。
- 「調べる」最新の動向や現状に関する情報を収集する。
- 「伝える」自社の意向や進捗状況などを報告する。
- 「共有する」最新の情報を相互に認識する。
- ビジネスの相手と対等な関係を作るためのアプローチ
- お互いの「趣味」を見つける。
- お互いに共通する「体験」や「考え方」を共有する。
- 相手にとって必要不可欠な存在になる。
- 雑談の目的はお互いの関係性を築くこと。
- 雑談を通じてラポールを作る「3原則」
①相手が「何を大切にしているか」を知る。
②相手が「何を正しいと思っているか」を知る。
③相手が「何を求めているか」を知る。 - 3原則を知るための質問
①あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
②それはなぜ必要ですか?
③何をもって仕事をしたと言えますか?
④なぜ今の仕事を選んだのですか?
⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
⑥あなたの一番の強みは何ですか?
⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか?
※①と②は「価値観」を知る
③と④は「仕事の基準」や「モチベーション」を知る
⑤は「自分の成長」を知る
⑥と⑦は「仕事の進め方」や「強力体制」を知ることができる。 - 異業種の相手には「サイクル→トレンド→パターン」を聞く。
- 最近はどんな会社が最先端を走っているのですか?
→業界トレンドを聞く - 1年で最も忙しいのはいつですか?
→業界のサイクルが理解できる - 幅広く情報を集めて新たなパターンを作り上げることに役立つ。
- 最近はどんな会社が最先端を走っているのですか?
- 社長などの幹部クラスは雑談を通じて「スクリーニング」(ふるい分け)をしている。
→相手が「面白い」「信用できる」「信頼できる」と興味を持たせることがポイント。 - 社長クラスへの主な質問内容
- ビジネスを始めた(現在の仕事を選んだ)きっかけをお聞かせください。
- 過去の挫折体験を教えてください。
- ブレイクスルー体験はいつどんな時でしたか?
- 現在のミッションは何でしたか?
- ビジネスに関して、どんな価値観をお持ちですか?
- ビジネスに向かう際の信念を教えてください。
- 質問力を身につける
- 複数の相手との雑談
- 参加メンバー全員に発言の機会を作る。
- 多様な意見を集めて瞬時に理解・整理する。
- 重要と思われるポイントを深掘りする。
- 話題を広げてできる限り相手の情報を聞き出す。
- 集めた情報を合意形成するための材料として活用する。
- 雑談を成果に結びつけるポイント
- 雑談を「1回限りのチャンス」と考える必要はない。
雑談を通じた情報収集も今日がダメなら次くらいの姿勢で臨む。 - 知り得た情報を「次にどう活かすか」という視点を持つ
知り得た情報を有効に活用する。 - 前回の内容をしっかり覚えておく
・同じ質問をしない
・「質問項目」と「回答項目」の両方を用意する。
- 雑談を「1回限りのチャンス」と考える必要はない。
こんな雑談は危ない!6つのNGポイント
「こんな雑談は危ない!6つのNGポイント」では、主に以下のことが述べられている。
- 雑談の目的は、お互いが意思の疎通を図り、信頼関係を結んでラポールを作ること。
- 雑談のNGポイント
- 相手のプライベートにいきなり踏み込まない。
- 「ファクト」ベースの質問は意外に危険。
「価値観」「信念」「期待」ベースの質問に心がける気遣いが大切。 - ビジネスの場で「収入」の話はしない。
- 「シチュエーション」を考えた雑談を心がける。
- 「宗教」の話は無理に避ける必要はない。
- 「下ネタ」で距離感が縮まることはない。
お互いが心理的安全性を感じて、ラポールを感じているようであれば、無理をして雑談をする必要はない。
あえて、雑談をしないという選択肢を持つことは、周囲との良好な関係を築くことにもつながる。
- 雑談の目的は、「チームの生産性を向上させて、成果を出すこと」
→相手を理解するための深い会話
→3つの要素が不可欠
①好奇心
②知識
③経験 - ビジネスの場における雑談のポイント
- 相手を驚かせないレベルの「自己開示」をして、自分という人間を知ってもらう。
- 好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする。
- 「信頼関係」の構築が目的であることを忘れない。
- 相手と「ラポール」を作れているか、客観的な目で観察しながら話す。
最後に
人見知りで、会話のきっかけ作りに興味を持ちこの本を手に取ったが、雑談の奥深さを感じる内容であった。
たかが雑談、されど雑談で、雑談の重要性を感じられた。
今後は戦略的な雑談に心がけたい。
しかし、本の通りではなく、日本人相手と外国人相手では雑談を使い分ける必要性もあるのではないかと感じた。
外国人目線で書かれているので、日本人にそのまま当てはめて、本の通りに実践して日本人とラポールが作れるかは実践してみないとわからないと感じた。
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