今回紹介する本は、「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則(ニック・マジューリ 著 児島 修 訳 ダイヤモンド社)」です。
本書は、以下の構成になっています。
- どこから始めるべきか?–お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき理由
- どのくらい貯金をすればいいのか?−思っているほど多く貯めなくても大丈夫
- こうすればもっと貯金ができる–パーソナルファイナンス最大のウソ
- 罪悪感なしでお金を使う方法−「2倍ルール」と充実感の最大化
- 収入アップに合わせて生活レベルを上げるのは、どれくらい許される?ー世間で思われている以上に、給料が増えた分、豊かさは享受できる
- 借金はすべきか?–クレジットカードの負債が必ずしも悪でない理由
- 家は借りるべきか、買うべきか−人生最大の買い物をどう考えるか
- 頭金を貯める方法−なぜ「時間軸」が大切なのか
- いつリタイアできるか?–一番大切なのは「お金」ではない
- なぜ投資すべきか−お金を増やすことが重要な時代になった3つの理由
- 何に投資すべきか–「富への唯一絶対の道」は存在しない
- 個別株は買うな−個人投資家を焼き尽くす投資哲学
- いつ投資すべきか–なぜ早い方がいいのか
- 安値を待つべきでない理由–神でさえ「ドルコスト平均法」には勝てない
- 投資が「運」に左右される理由−と、なぜ「運」を気にしすぎる必要がないのか?
- 相場の変動を恐れるな–投資で成功するための「入場料」
- 暴落時の投資法–パニック時でも平静さを保つメンタル
- いつ売ればいいのか?−リバランス、集中投資状態、投資の究極の目的について
- 資産が増えてもお金持ちと感じられない理由–なぜ、あなたはすでに豊かなのか?
- 一番重要な資産–なぜそれはこれ以上増やすことができないのか
- お金を貯め富を築くための証明する方法、投資初心者からベテランまでわかりやすく面白く学べる唯一無二の本と著者は述べている。
- 「ジャスト・キープ・バイイング」とは、収益を生み出す様々な資産を継続的に購入すること。
(資産:株式、債券、不動産) - 「ドルコスト平均法」と「ジャスト・キープ・バイイング」は実質的には同じことを意味しているが、唯一の違いは名称で、後者の名称には「とにかく買い続ける」というはっきりとした投資哲学、明確な“心理的動機“が込められている。
- ジャスト・キープ・バイイングは、簡単に富を築くことのできる積極的な投資アプローチ。
- 日本人は今も圧倒的に多くを「現金」で持ち続けており、このままでは日本人は「金銭的自立」に遅れた金融孤児になりかねない。
- 過去100年以上に及ぶ金融データを縦横無尽に駆使し、これ以上ないほどシンプルな、誰でもわかる「お金の原則」に落とし込んでいる。
- データと証拠に裏付けられている。
- どこから始めるべきか? –お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき理由
- どのくらい貯金をすればいいのか? −思っているほど多く貯めなくても大丈夫
- こうすればもっと貯金ができる–パーソナルファイナンス最大のウソ
- 罪悪感なしでお金を使う方法−「2倍ルール」と充実感の最大化
- 収入アップに合わせて生活レベルを上げるのは、どれくらい許される?ー世間で思われている以上に、給料が増えた分、豊かさは享受できる
- 借金はすべきか?–クレジットカードの負債が必ずしも悪でない理由
- 家は借りるべきか、買うべきか–人生最大の買い物をどう考えるか
- 頭金を貯める方法−なぜ「時間軸」が大切なのか
- いつリタイアできるか?–一番大切なのは「お金」ではない
- なぜ投資すべきか−お金を増やすことが重要な時代になった3つの理由
- 何に投資すべきか–「富への唯一絶対の道」は存在しない
- 個別株は買うな−個人投資家を焼き尽くす投資哲学
- いつ投資すべきか–なぜ早い方がいいのか
- 安値を待つべきでない理由–神でさえ「ドルコスト平均法」には勝てない
- 投資が「運」に左右される理由 −と、なぜ「運」を気にしすぎる必要がないのか?
- 相場の変動を恐れるな–投資で成功するための「入場料」
- 暴落時の投資法–パニック時でも平静さを保つメンタル
- いつ売ればいいのか? −リバランス、集中投資状態、投資の究極の目的について
- 資産が増えてもお金持ちと感じられない理由 –なぜ、あなたはすでに豊かなのか?
- 一番重要な資産–なぜそれはこれ以上増やすことができないのか
- 「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール -タイムトラベラーゲームに勝つ方法
- 最後に
どこから始めるべきか? –お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき理由
「どこから始めるべきか?」では、主に以下のことが述べられています。
- 何を重視すべきかは、その時点の経済的状況次第。
- 投資資産が少ないなら、貯金を増やすことに注力すべきで、すでに大きな投資資産があるのなら、投資計画に時間を費やした方がいい。
- 貯金は貧しい(投資するお金がない)人のためのものであり、投資は豊かな(投資するお金がある)人のためのもの。
- 自分は「貯金」すべきか?それとも「投資」すべきか?
- まず、今後1年間に無理なく貯金できる額(予想貯金額)を算出する。
- 1ヶ月に1,000ドル貯金できそうなら、予想貯金額は1年で12,000ドル増える。
- 今後1年間に予想される投資収益を決定する。
- 投資資産が10,000ドルあり、その年利回りを10%と予想すれば、投資資産は1年で1,000ドル増えることになる。これを「予想投資収益額」とする。
- 最後に、この2つ数値を比較する。
- 予想貯蓄額と予想投資収益額のどちらが多いか?
- 予想貯金額の方が多い人は、貯金を増やすことに集中すべき。
- 予想投資収益額の方が多い人は、所有している投資資産の配分調整に多くの時間を割くべき。
- 両方の数値が近い場合は、両方に時間を費やす。
- 予想貯蓄額と予想投資収益額のどちらが多いか?
- まず、今後1年間に無理なく貯金できる額(予想貯金額)を算出する。
どのくらい貯金をすればいいのか? −思っているほど多く貯めなくても大丈夫
「どのくらい貯金をすればいいのか?」では、主に以下のことが述べられています。
- 貯金をたくさんできる時はそうする。そうでない場合は、少なく貯金する。
できる範囲で貯金する。 - 貯金できる金額の決め方
貯金=収入ー支出- 月単位で計算する。
固定費を算出し、残りの額を見積もる。
変動費と固定費を合計すれば、毎月どれくらい貯金できるか把握できる。
- 月単位で計算する。
こうすればもっと貯金ができる–パーソナルファイナンス最大のウソ
「こうすればもっと貯金ができる」では、主に以下のことが述べられています。
- 資産を増やすには「節約か収入アップか」
- 資産を増やす節約効果には限界がある。
手取りが収入より少ないと生きるために最低限の支出すらまかなえないことがあり、節約には限界がある。支出をこれ以上削るのは難しい。 - 支出は収入に比例して増えない。
収入が10倍になっても、生活費が10倍になるとは考えにくい。
- 資産を増やす節約効果には限界がある。
- お金持ちになる王道は、収入を増やし、収益を生み出す資産に投資すること。
できるところは引き締め、後は収入を増やすことに集中する。 - 今より収入を増やす5つの方法
人的資本をうまく活用する。人的資本は金融資本に転換できる資産。- 時間単位の専門サービスを提供する。
- 出来高制の専門のサービスを提供する。
- 人に教える。
- 商品を売る。
- 会社で昇進をする。
- 1.時間単位の専門サービスを提供する。
- 長所:簡単に始められ、初期コストが少ない。
- 短所:時間は有限であり、スケールメリットが得られない。
- 2.出来高制の専門サービスを提供する。
- 長所:高い報酬が期待できる。ブランドを構築できる。
- 短所:市場性のある技能やサービスの開発に時間がかかる。
スケールメリットが少ない。
- 3.人に教える。
- 長所:スケールメリットがある。
- 短所:競争が激しく、安定して受講者を集めるのは簡単ではない。
- 4.商品を売る。
- 長所:スケールメリットがある。
- 短所:先行投資と継続的なマーケティングが必要。
- 5.会社で昇進する。
- 長所:技能を磨き、経験を積める。安定した収入が得られる。
- 短所:自分の思うように時間や行動をコントロールできない。
- 1.時間単位の専門サービスを提供する。
- 富を築く旅の最終目標は「オーナーになること」。
- 長期的に富を築くには、人的資本を金融資本に転換しなければならない。
罪悪感なしでお金を使う方法−「2倍ルール」と充実感の最大化
「罪悪感なしでお金を使う方法」では、主に以下のことが述べられています。
- 罪悪感を覚えずに買い物が楽しめる2つの方法
- 2倍ルール
- 贅沢な買い物をする時は必ずそれと同額の投資をする。
(400ドルの靴を買うなら、400ドルの株も買う) - 散財してもそれと同額の投資資産を買うことになるとわかっているので、お金を使いすぎたかもしれないと心配しなくでもいい。
- 何かを買おうとした時、自分がそれを贅沢品と感じるかどうか。
- 贅沢な買い物をする時は必ずそれと同額の投資をする。
- 「充実感」を第一に考える
- 充実感が得られるお金の使い方を優先させること。
一時的な楽しさではなく、いつまでも心の豊かにし続けてくれる充実感に目を向ける。 - 全体的な幸福度を高めるお金の使い方
- 体験を買う
- 自分のために贅沢をする
- 時間を買う
- 前払いする(例:旅行費用の金額を前金で払う)
- 人のために使う
※このようなお金の使い方をすると、幸福感が高まりやすい。
- 「自律性(自主的であること)」「熟達(技能を向上させること)」「目的意識(自分より大きな何かにつながること)」が人間のモチベーションと満足感にとって重要。
- お金は自分が望む生活を実現するための道具。
- 本当に難しいのは、お金の使い方ではなく、人生で本当にほしいものが何かを見つけること。
- 重要なのは「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」
- 充実感が得られるお金の使い方を優先させること。
- 2倍ルール
- 唯一の「お金の正しい使い方」とは、自分にあった方法
自らの心理特性に合った買い物をしている人は、人生の満足度が高い。
収入アップに合わせて生活レベルを上げるのは、どれくらい許される?ー世間で思われている以上に、給料が増えた分、豊かさは享受できる
「収入アップに合わせて生活レベルを上げるのは、どれくらい許される?」では、主に以下のことが述べられています。
- やり方によっては、ライフスタイル・クリープ(収入が増えたときに、その分だけ生活レベルを上げようとすること)は、大きな満足感が得られる。
- 収入が増えた時どれくらいまで使っていいのか、答えは「約50%」。
増えた収入の半分以上を使ってしまうと、リタイアできる時期は遅れてしまう。 - 貯蓄率が高い人ほど、貯蓄率を上げないといけない理由。
収入アップに合わせて生活レベルを上げたことで、リタイアの時期が先延ばしになる。
これが、ライフスタイル・クリープの危険性。 - 収入アップしたらどれだけ生活レベルを上げていいか。
- 一番重要なポイントは、現在の貯蓄率。
- 現在の貯蓄率が低い人ほど、現行のリタイア計画を維持しながら、収入アップに合わせて生活レベルを上げやすい。
(貯蓄率が低い人はもともとの支出割合が多いから)
- 現在の貯蓄率が低い人ほど、現行のリタイア計画を維持しながら、収入アップに合わせて生活レベルを上げやすい。
- 一番重要なポイントは、現在の貯蓄率。
- 「昇給額の50%」を貯金するシンプルなルール。
増えた収入のうち、半分は自分のために、半分は未来の自分のために使う。
借金はすべきか?–クレジットカードの負債が必ずしも悪でない理由
「借金はすべきか?」では、主に以下のことが述べられています。
- 借金を検討すべき2つのタイミング。
- リスクを減らす
- 負債を抱えることで、すぐに使える(流動性の高い)資産を手元に残しやすくなる。
- キャッシュフローを円滑にでき、何かが起きた時の備えができるようになる。
(万一の備えとして現金を手元に残しておく)
- 借入金コストを上回るリターンを生み出せる
教育費の支払い、起業資金等ローンを組むとそれによって最終的に得られる利益が借入コストを上回る場合がある。
- リスクを減らす
- 負債から最大の利益を得られるのは、負債をする適切なタイミングを選べる人。
リスクを減らしたり、リターンを増やしたりするために戦略的に借金をすれば大きな恩恵が得られる。
家は借りるべきか、買うべきか–人生最大の買い物をどう考えるか
「家は借りるべきか、買うべきか」では、主に以下のことが述べられています。
- 持ち家に押しかかる2つのコスト。
- 一時的コスト:頭金、購入手数料など。
- 継続的テスト:税金、維持費、保険料など。
- 持ち家は、これに加えてメンテナンス費用、労力がかかる。
- 賃貸は、月々の家賃を支払わなければならない。
- 賃貸は、将来の支払いの把握ができるが、持ち家そうではない。
但し、賃貸は10年後の家賃がどうなっているかわからない長期的リスクがある。 - 住宅を所有するメリットは、社会的なメリット。
頭金を貯める方法−なぜ「時間軸」が大切なのか
「頭金を貯める方法」では、主に以下のことが述べられています。
- まとまった資金を貯める最善の方法
- 3年以内でまとまった資金を作るなら現金で貯め、3年以上かかる場合は債権に投資する。
- 株に投資する場合は、暴落リスクがある。
- 大きな買い物の資産をつくるベストな方法は、時間軸の長さ。
現金だとインフレの影響を受けるが、それを避けるには債権・株式に投資したほうがよい。
いつリタイアできるか?–一番大切なのは「お金」ではない
「いつリタイアできるか?」では、主に以下のことが述べられています。
- リタイアできる時期を判断するために使えるシンプルなルールは「4%ルール」。
老後資産を毎年4%取り崩せる。(株式:5割、債券:5割のポートフォリオから) - リタイアに必要な資産
- 4%リタイア資産=年間支出(1÷25×リタイア資産=年間支出)
- リタイア資産=25×年間支出
リタイア後1年目に予想される年間支出の25倍の資産が必要。
- リタイア後、社会保障給付を受けながら差額の生活費があれば、生活できる。これを「年間超過支出」という。
したがって必要な貯金額は、
リタイア資産=25×年間超過支出 - 「クロスオーバーポイント・ルール」(いつリタイアできるかを判断するもう一つの方法)
- 毎月の収入が毎月の支出を超える(クロスオーバーする)地点(ポイント)が、経済的自由を得られるポイント。
- 毎月の支出が4,000ドルで毎月の投資収益が4,000ドル以上ある場合、クロスオーバー・ポイントに到達したことになる。
- クロスオーバー・ポイントを超えるために必要な金額(クロスオーバー資産)の計算式
- 月次投資収益=クロスオーバー資産×月次投資収益率
- 毎月の投資収益率が毎月の支出と等しくなるために、次のように書き換えられる。
- 月次支出4,000ドルなら、クロスオーバー資産は4,000ドルを月次投資収益率で割る。
- 投資によって年間3%の利益が得られると予想される場合、3%を12で割れば月次投資収益率が出る。
- 近似値を導くには
- 月次投資収益率=3%÷12=0.25%(0.0025)
- 毎月の支出を月次投資収益率で割ると
4,000ドル÷0.0025=160万ドルになる。
これがクロスオーバー資産。
- 毎月の収入が毎月の支出を超える(クロスオーバーする)地点(ポイント)が、経済的自由を得られるポイント。
- 退職者大半とって、お金よりも心身の豊かな人間関係が何より大切。
なぜ投資すべきか−お金を増やすことが重要な時代になった3つの理由
「なぜ投資すべきか」では、主に以下のことが述べられています。
- 投資をすべき3つの理由。
- 老後に備えるため
- インフレから資産を守るため
- 「人的資本」を「金融資本」に置き換えるため
- 老後に備えるため
老後を貯蓄の動機にするとお金をためやすくなる。 - インフレから資産を守るため
- インフレは目に見えない税金とも言える。
年々生活費が増えていく。 - 労働収入のない退職者にとって、インフレに対抗する唯一の武器は投資資産を増やすこと。
- インフレの影響を最小限に抑えたい場合は、生活防衛資金以外のお金はすぐにでも投資に回すべき。
- インフレは目に見えない税金とも言える。
- 「人的資本」を「金融資本」に置き換えるため
- 人的資本:技能、知識、時間の価値
- 技能や知識は人生を向上するが、時間は減っていく。
人的資本は時間の経過とともに減っていくが、金融資本はお金を生み続けてくれる。
年5万ドルで40年働くとする。
割引率を3%とすると、40年後人的資本120万ドルの価値になる。120万ドルを年3%で運用すれば資産を枯渇することなく40年間5万ドル引き出せる。 - 人的資本と金融資本の交換が可能。
- 老後に備えるため
何に投資すべきか–「富への唯一絶対の道」は存在しない
「何に投資すべきか」では、主に以下のことが述べられています。
- 多様な収入源となる投資資産を買い続けるべき。
- 株式は1900年から2006年の世界16か国のリターンを分析した結果、すべての国で長期的にプラスのリターンが見られた。
- 株の不安に対する最善策は、長期的に投資すること。時間は株式投資家の味方。
- インデックスファンドなら安価な分散投資ができる。
- 著者が債権を勧める理由
- 株式(やリスク資産)の価値が下がると、債券の価値が上がる傾向にある。
- 他の資産に比べ収入源として安定している。
- ポートフォリオの定期的な見直し(リバランス)や損失を埋め合わせる際に流動性を確保できる。
- 市場が急落し、他の資産クラスが軒並み値下がりした時も、債券だけは値上がりしやすくなる。
- 債権は安定しているため、長期的に一定の収入を得やすい。
- 債権インデックスファンドや債券EFTを買うほうが簡単でおすすめ。
- 不動産投資は、レバレッジを使うと他の投資資産より高いリターンが期待できるが、反面、物件やテナントの管理が面倒。分散投資が難しいという短所がある。
- 不動産投資信託(REIT)は、不動産は所有したいが、自分で管理のは嫌いという人に向いている。
REITは、不動産の所有・管理によって、得られた利益を所有者に分配するビジネス。 - その他、農地絵への投資、中小企業への投資、ロイヤリティの投資、オリジナル商品等への投資について述べられている。
個別株は買うな−個人投資家を焼き尽くす投資哲学
「個別株は買うな」では、主に以下のことが述べられています。
- 個別株投資は、インデックス投資に勝てない。
- 株の銘柄の選び方が上手かどうかどう判断できるのか。
個別株投資の存在論的な問題。 - 自分の実力を証明できない。
いつ投資すべきか–なぜ早い方がいいのか
「いつ投資すべきか」では、主に以下のことが述べられています。
- ほとんどの市場は、ほとんどの期間上昇している。
だからできるだけ早く投資すべき。
ほとんどの市場がほとんどの期間上昇しているということは、投資を遅らせれば遅らせるほど、投資するときに高い価格を払わなければならない。
最適な投資時期を待つのではなく、今できる投資を思い切ってする。 - 株式投資では、即一括投資は分割投資より優れている。
その他の資産でも同様のことが言える。 - 株と債券の組み合わせた低リスクのポートフォリオに即一括投資する方法も要検討。
安値を待つべきでない理由–神でさえ「ドルコスト平均法」には勝てない
「安値を待つべきでない理由」では、主に以下のことが述べられています。
- バイ・ザ・ディップ(毎月貯金して相場の下落時にのみ買う)は、ドルコスト平均法に勝てない。
投資が「運」に左右される理由 −と、なぜ「運」を気にしすぎる必要がないのか?
『投資が「運」に左右される理由』では、主に以下のことが述べられています。
- 投資を始めた時期によって、年率リターンがかかわってくる。
- 長期的に投資額を継ぎ足していくと投資期間の後半のリターンが重要になってくる。
投資額をやせば増やすほど、投資期間の後半のリターンの重要性が増す。 - 投資の「不運」を軽減する3つの方法
(次の3つの方法でマイナス面を回避できる)- 低リスク資産(債券等)に分散する。
老後に備えて十分な債権を保有していれば、株価の下落時に資産を取り崩す際、株ではなく債権を売ることでマイナスの影響を抑えられる。 - 市場の低迷時は、資産の取り崩す率を減らす。
年4%で資産を取り崩そうとしていた時は、一時的にその率を下げることで市場の暴落による損失を軽減できる。 - パートタイムの仕事をして収入を補う。
市場が低迷しているときは、資産を取り崩す代わりにできる範囲で働き収入を補うことを検討する。
- 低リスク資産(債券等)に分散する。
相場の変動を恐れるな–投資で成功するための「入場料」
「相場の変動を恐れるな」では、主に以下のことが述べられています。
- まったくリスクを取らないことが、最大のリスクになるときがある。
リスクを避け続けている人は、何年たってもリターンを得ることはない。
それはリスクを取りすぎたのと同じくらいダメージを被る可能性がある。
暴落時の投資法–パニック時でも平静さを保つメンタル
「暴落時の投資法」では、主に以下のことが述べられています。
- 暴落の見方を変える。
市場が30%以上下落しているときに投資すれば、将来的にかなり良いリターンが期待できる。 - 1980年から2020年までの4年間、日本の株式市場に全取引日に1ドルを投資した場合、最終的にはわずかにプラスのリターンが得られる。
いつ売ればいいのか? −リバランス、集中投資状態、投資の究極の目的について
「いつ売ればいいのか?」では、主に以下のことが述べられています。
- 売却条件を自分で決める。お勧めできるのは次の3つ。
- リバランスのため
- 集中投資(または損失)状態から抜け出すため
- 自分の経済的ニーズを満たすため
- 売却する際は、ほとんどの期間上昇しているため、「できるだけ遅く売る」ことが最善策になる。すぐ売るより、時間をかけて少しずつ売る。
- 早く買い、ゆっくり売る。
- リバランスするのは、リスクコントロール。
- 次の2つの理由から年1度のリバランスを推奨。
- 時間がかからない。
- 毎年税金を計算する時期を合わせて行える。
- 税金がまったくかからないリバランスの方法は、「ジャスト・キープ・バイイング」
(買い増しリバランス)
(売却によるリバランスは、税金がかかる場合がある) - 過度に贅沢な暮らしをしようとして、大きなリスクを背負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する。
資産が増えてもお金持ちと感じられない理由 –なぜ、あなたはすでに豊かなのか?
「資産が増えてもお金持ちと感じられない理由」では、主に以下のことが述べられています。
- 裕福であるのに、ほとんどの人は実際より裕福でないと感じている。
自分より裕福な人を見るので、裕福を感じられない。
自分がいかに恵まれているかを感じること。
一番重要な資産–なぜそれはこれ以上増やすことができないのか
「一番重要な資産」では、主に以下のことが述べられています。
- お金か?それとも時間か?
- 時間は私たちにとって何よりも重要な資産。
お金は後からでも稼げるが、時間は取り戻せない。
- 時間は私たちにとって何よりも重要な資産。
- ほとんどの人の幸福は、20代後半で低下しはじめ、50歳の時に底を打ち、その後増加する。
50歳前後を境に期待しているよりも、実際の生活満足度が高くなる。
「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール -タイムトラベラーゲームに勝つ方法
『「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール』では、主に以下のことが述べられています。
- お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき(第1章)
予想される貯蓄が、予想される投資収益を上回る場合は、貯蓄に重点を置き、そうでなければ投資に集中する。
同じくらいの場合は、両方にバランスよく取り組む。 - できる範囲で貯金する(第2章)
収入と支出は変化する。貯蓄率もそれに応じて変えていくべきで、できる範囲で貯金する。 - 節約よりも収入アップ(第3章)
支出を減らすことには限界があるが、収入を増やすことには限界がない。
わずかでいいので、収入を増やすための方法をすぐに見つける。 - 「2倍ルール」で罪悪感を減らす(第4章)
「2倍ルール」とは、贅沢品にお金を使ったら、それと同じ額を投資するが、チャリティに寄付する。
これは安心してお金を使える簡単な方法 - 収入アップ分の50%以上を貯蓄する(第5章)
支出は収入アップ分の50%未満に抑え、50%以上を貯蓄する。 - 借金は使い方次第(第6章)
自分にとってメリットが得られる場合のみお金を借りる。 - 家は適切な場合のみ購入する(第7章)
自分の経済状況と現在のライフスタイルに適している場合のみ購入する。 - 頭金は、まず現金で貯めることを検討する(第8章)
大きな買い物の頭金をつくるには現金が最適。 - リタイアで大切なのはお金だけではない(第9章)
どうすればリタイアできるかを考える前にまず、リタイアして何がしたいかを考える。 - 減り続ける「人的資本」を「金融資本」に置き換えるために投資する(第10章)
人はいつまでも働けるわけではない。手遅れになる前に「人的資本」を「金融資本」に置き換えること。投資はそのために最善策。 - オーナーのように考え、収益資産を買う(第11章)
収入を増やすためには、オーナーのように考え、収入を生む資産を買うためにお金を使う。 - 個別株は買わない(第12章)
個別株投資をしてインデックス投資を上回るリターンを得ようとするのは至難の業。 - 早く買ってゆっくり売る(第13章)
ほとんどの市場は時間の経過とともに上昇していくことが予想されるため、早く買ってゆっくり売ることが資産を増やすセオリーになる。 - できるだけ頻繁に投資する(第14章)
現金を貯めてタイミングのいいところで投資できると考えているなら考え直したほうがいい。
神でさえ、ドルコスト平均法には勝てない。 - 投資とは配られたカードではなく、そのカードを使ってプレーをすること(第15章)
なにより大切なのは、長期的にどう振舞うかである。 - 相場の変動は必然的に発生するが、恐れてはいけない。(第16条)
市場には無賃乗車はできない。メリットを享受したければ「相場の変動に耐えるという手数料」を払わなければならない。 - 暴落は(通常は)買いのチャンス(第17章)
将来のリターンは通常、大規模なクラッシュ後に最も高くなる。
暴落は周期的に発生する。恐れずにチャンスとみなそう。 - 過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを背負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する(第18章)
投資資産を売ってもいい場合もある。何もしないで資産を築いても意味はない。 - どれだけ資産が増えても、金持ちになったと感じないが、それは問題ない(第19章)
どれだけ資産が増えても、それ以上のお金を持っている人は必ずいる。
パーソナルファイナンスのゲームでは、自分を見失わないように気を付けよう。 - 時間ほど重要な資産はない(第20章)
お金はいつでも稼げるが、時間は増やせない。 - 私たちはすでにこのゲームをプレーしている。
最後に
この本で一番印象に残ったのは、個別株はインデックス投資を投資成績で上回らず、個別株投資を勧めていないことであった。
私もインデックスファンドを中心に「ジャスト・キープ・バイイング」で資産形成していきたいと思います。

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