働き方改革にもつながる「時間単位の年次有給休暇制度」について

EIICHIです。
ブログに訪れてくださりありがとうございます。

以前「年次有給休暇の計画的付与」についてお話ししましたが、今回は「時間単位の年次有給休暇制度」についてお話ししてみたいと思います。

文字通り、時間単位（1時間単位）で取得できる有給休暇です。
通常、有給休暇というと１日の有給休暇やいわゆる半休を思い浮かべる方が多いかと思いますが、この制度を導入することにより、時間単位で有給休暇を取得することができます。
新しい働き方、休み方とも言えるかと思います。
このため、１日や半日まではかからないが、例えば2，3時間程度の用事がある時でも有給休暇を取得することができます。

但し、時間単位なので、分単位など１時間未満の取得はできず、また上限も年５日を限度とされています。

「時間単位の年次有給休暇制度」について
「就業規則」への記載
「労使協定」について
最後に

「時間単位の年次有給休暇制度」について

冒頭でもお話ししましたが、年次有給休暇の付与は原則1日単位ですが、労使協定を結べば、年5日の範囲内で、時間単位（１時間単位）の取得が可能となります。
１時間単位ですから、最少は１時間ですが、２時間とか４時間を単位とすることもできます。

ちなみに当社が当初導入したときは、有給休暇を手作業で管理していたので、管理が大変なため４時間単位としていましたが、システム上で有給休暇の管理ができるようにしましたので、現在は１時間単位で取得することができます。

なお、午前中に１時間、午後から１時間などというように、1日で分割して取得することも可能として柔軟に取得できるようにしています。（通常”中抜け”と呼ぶようです）
法律上も可能とのことです。（管轄の監督署に確認済みです）
所用の為、1日のうち１時間遅く出勤して、１時間早く帰ることも可能にしています。
例えば、お子さんを保育園に送って通常より遅く出勤したり、早く迎えに行ったりという際にも活用することが可能です。

「就業規則」への記載

「時間単位の年次有給休暇制度」を導入する場合には、常時１０人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則に年次有給休暇の時間単位での付与について定めることが必要です。

就業規則に以下の内容の規定が必要です。
①年５日の範囲で「時間単位の年次有給休暇」を付与すること　
②対象者（すべての従業員が対象等）　
③１日の年次有給休暇に相当する時間数　（1日の所定労働時間が8時間なら8時間等）
④単位時間（１時間単位、２時間単位等）
⑤時間単位の有給休暇を取得した場合に支払われる賃金　　　　　等

「労使協定」について

労使協定を締結締結することが必要です。
労使協定を締結すれば、年５日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることができるようになります。
なお、この労使協定は労働基準監督署に届け出る必要はありません。

★労使協定では、次の項目を定めなければなりません。

時間単位の年次有給休暇の対象者の範囲

対象となる従業員の範囲を定めます。
一部の従業員を対象外にする場合は、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。

時間単位の年次有給休暇の日数

１年で５日以内の範囲で定めます。
なお、前年度からの繰越しがある場合は、当該繰越し分も含めて５日以内となります。

時間単位の有給休暇の１日分の時間数

１日分の年次有給休暇が何時間分の時間単位の有給休暇に相当するかを定めます。
なお、１時間に満たない端数がある場合は時間単位に切り上げなければなりません。
例えば、所定労働時間が１日７時間30 分の場合は８時間となります。
この場合、1日は8時間になり、1年5日の範囲内で取得できますので、取得できる上限時間は40時間（8時間×5日）となります。
仮に、1日の所定労働時間が6時間であれば、上限は30時間となります。
1日の所定労働時間が8時間の企業が多いでしょうから、上限が40時間の会社が多いでしょうね。

なお、当社では、今年の4月から１年単位の変形労働時間制を採用して、１日の所定労働時間を８時間15分とします。
この場合1時間未満の端数は時間単位に切り上げなければならないので、1日分の時間数は9時間となります。
つまり、当社の場合は、上限が45時間となります。