「育児休業給付」について

働き方/労働社会保険

EIICHIです。
先日、『「育児休業給付金」の支給延長の手続きの変更について』というタイトルで投稿をUPしましたが、「育児休業給付」についてもお話ししたほうがいいかと思いましたので、今回は「育児休業給付」についてお話ししてみたいと思います。

※育児休業給付金」の支給延長の手続きの変更についてはこちらを参照ください 👆 

「育児休業休給付」には『出生時育児休業給付金』と『育児休業給付金』の2種類があります。

『出生時育児休業給付金』について

支給要件

以下の要件を満たす場合に支給されます。

  1. 子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した雇用保険の被保険者であること。(2回まで分割取得可)。
    ◆出生時育児休業給付金のは、以下の1及び2いずれにも該当する休業が対象
    1. 被保険者が初日と末日を明らかにして行った申出に基づき、事業主が取得を認めた休業。
    2. 「出生日または出産予定日のうち早い日」から「出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内に4週間(28日)の範囲で取得されたもの。
      • 産後休業(出生日の翌日から8週間)は出生時育児休業給付金の対象外。
      • 出生時育児休業給付金の対象となるには、出生時育児休業の初日から末日まで被保険者であることが必要。
      • 男性が出生時育児休業を取得する場合は、配偶者の出産予定日または子の出生日のいずれか早い日から出生時育児休業給付金の対象となる。
      • 被保険者とは、一般被保険者と高年齢被保険者(65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている被保険者)をいう。
  2. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
  3. 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること。
    • 「最大10日」は、28日間の休業を取得した場合の日数・時間。
    • 休業期間が28日間より短い場合は、その日数に比例して短くなる。
  4. 子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。(有期雇用の場合)
    • 出生日は、出産予定日前に子が出生した場合は出産予定日。
    • 労働契約期間は、労働契約が更新される場合は更新後のもの。

支給申請期間

子の出生日(出産予定日前に子が出生した場合は出産予定日)から起算して8週間を経過する
日の翌日から申請可能。

当該日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までに「育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金支給申請書」の提出が必要。
(出生時育児休業は、同一の子について2回に分割して取得でるが、申請は1回にまとめて行う。)

支給額

支 給 額 = 休業開始時賃金日額× 休業期間の日数(28日が上限)× 67%

※休業開始時賃金日額:
出生時育児休業又は育児休業開始前(産前産後休業を取得した被保険者の方が育児休業を取得した場合は、原則として産前産後休業開始前)直近6か月間(賃金支払基礎日数が11日未満の賃金月は除く。

また、当該休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の賃金月が6か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である賃金月)に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金と3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額

出生時育児休業期間に仕事をして、事業主から賃金が支払われた場合は、以下の額となります。

支払われた賃金の額        支 給 額
「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」の13%以下休業開始時賃金日額×休業期間の日数×67%
「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」の13%超~80%未満休業開始時賃金日額×休業期間の日数×80%ー賃金額
「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」の80%以上不支給(支給されない)

◼ 休業開始時賃金日額の上限額(令和7年7月31日までの額)
 休業開始時賃金日額の上限額は15,690円

受給資格確認・支給手続

出生時育児休業給付金の支給を受けるには、出生時育児休業を開始した被保険者を雇用している事業主が、受給資格確認・支給申請の手続を行う。

提出者被保険者を雇用している事業主
提出書類
(①②の両方)
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金支給申請書
添付書類
(①②の両方)
① 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、
 育児休業取扱通知書など
 ※出生時育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの
② 母子健康手帳(出生届出済証明のページと分娩予定日が記載されたページ)
 医師の診断書(分娩(出産)予定日証明書)など
 ※育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの(写し可)
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も可)
提出時期子の出生日(出産予定日前に子が出生した場合は出産予定日)から起算して8週間を経過する日の翌日から申請可能となり、当該日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までに提出
※休業期間を対象とする賃金がある場合は、当該賃金が支払われた後に提出。

『育児休業給付金』について

支給要件

以下の要件を満たす場合に支給されます。

  1. 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること。
    (2回まで分割取得可)

    ◆育児休業給付金は、以下の1及び2のいずれにも該当休業が対象
    1. 被保険者から初日と末日を明らかにして行った申出に基づき事業主が取得を認めた育児休業
    2. 休業開始日から、当該休業に係る子が1歳(いわゆるパパ・ママ育休プラス制度を利用して育児休業を取得する場合は1歳2か月。さらに保育所における保育の実施が行われない等の場合は1歳6か月または2歳)に達する日前までにあるもの。
      • 産後休業(出生日の翌日から8週間)は育児休業給付金の対象外
        産後6週間を経過した場合で、当該被保険者の請求により、8週間を経過する前に産後休業を終了した場合でも、産後8週間を経過するまでは、産後休業とみなされます。
      • 休業開始後に他の子に係る産前産後休業又は育児休業や、介護休業が開始された場合は、それらの休業の開始日の前日をもって当初の育児休業給付は終了
      • 被保険者とは、一般被保険者と高年齢被保険者をいう
  2. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
  3. 一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること。
  4. 養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。(有期雇用の場合)
    • 保育所等で保育の実施が行われないなどの理由で、子が1歳6か月に達する日後の期間にも育児休業を取得する場合には、2歳に達する日までの間
    • 労働契約期間は、労働契約が更新される場合は更新後のもの。

支給額

支 給 額=
休業開始時賃金日額※1×支給日数※2×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)※3

※1:
同一の子に係る最初の出生時育児休業又は育児休業開始前(産前産後休業を取得した被保険者の方が育児休業を取得した場合は、原則として産前産後休業開始前)直近6か月間(賃金支払基礎日数が11日未満の賃金月は除く。
また、当該休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の賃金月が6か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である賃金月)に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金と3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額。

※2:
支給日数は、原則30日間。
休業終了日の属する支給単位期間は、休業終了日までの日数。
また、支給単位期間の途中で離職した場合、喪失日の属する支給単位期間の前の支給単位期間までが支給対象。
※3:
出生時育児休業給付金が支給された日数は、育児休業給付金の給付率67%の上限日数である180日に通算される。
181日目以降は給付率50%。

◼ 支給上限額(令和7年7月31日までの額)
休業開始時賃金日額の上限額は15 ,690円、下限額は2 ,869円。
支給日数が30日の場合の支給上限額と支給下限額は以下のとおり。
(給付率67%)支給上限額 315,369円 、支給下限額 57,666円
(給付率50%)支給上限額 235,350円 、支給下限額 43,035円

育児休業期間に仕事をして、事業主から賃金が支払われた場合は、以下の額となります。

支払われた賃金の額支 給 額
「休業開始時賃金月額」の13%(30%※1)以下休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数×67%(50%※2
「休業開始時賃金月額」の13%(30%※1)超~80%未満休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数× 80% - 賃金額
「休業開始時賃金月額」の80%以上不支給(支給されない)
例:休業開始時賃金日額が10,000円の場合、賃金月額は300,000円
※1 育児休業の開始から181日目以降は30%
※2 育児休業の開始から181日目以降は給付率50%

支給単位期間

支給単位期間」とは、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間(休業開始日(または応当日)から翌月の応当日の前日まで。その1か月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間)をいう。
育児休業を2回に分割して取得する場合は、それぞれの休業期間ごとに考える。

※応当日:育児休業開始日から1か月ごとに区切った期間
 10月1日に育児休業を開始した場合は、9月30日までが支給単位期間。
 支給対象となる子が「1歳に達する日の前日まで」とは1歳の誕生日の前々日までをいう

受給資格確認・支給申請手続き

育児休業給付受給資格確認手続・育児休業給付金の初回支給申請手続

育児休業給付金の支給を受けるためには、被保険者を雇用している事業主の方が以下の受給資格確認
手続を行う必要がある。
事業主が支給申請手続を行う場合は、受給資格の確認の申請と初回の育児休業給付金の支給申請を同
時に行うこともできる。この場合の初回の育児休業給付金の支給申請は、原則として最初と次の2
つの支給単位期間について行うようにする。

提出者被保険者を雇用している事業主
提出
書類
①②の両方
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
※初回の育児休業給付金の申請以前に、同一の子に係る育児休業について出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受けている場合は、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」の提出は不要
添付
書類
①②の両方
① 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、
 育児休業取扱通知書など
 ※育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの
② 母子健康手帳(出生届出済証明のページと分娩予定日が記載されたページ)
 医師の診断書(分娩(出産)予定日証明書)など
 ※育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの(写し可)
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も可)
提出
時期
◆受給資格確認手続のみ行う場合
 初回の支給申請を行う日まで
◆初回の支給申請も同時に行う場合
 育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで
 例:育児休業開始日が6月10日の場合 ⇒ 4か月を経過する日は10月9日、
   提出期限は10月31日まで

育児休業給付金の2回目以降の支給申請手続

育児休業給付金の申請は、原則として2か月に一度要申請。
但し、被保険者本人が希望する場合、1か月に一度、支給申請を行うことも可能。

提出者被保険者を雇用している事業主
但し、やむを得ない理由で、事業主経由での提出が困難な場合や、被保険者本人が自ら申請手続を希望する場合は、被保険者本人が提出することも可能
提出
書類
育児休業給付金支給申請書(ハローワークが交付)
添付
書類
賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカードなど
※育児休業給付金支給申請書の記載内容を確認できるもの
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も可)
提出時期公共職業安定所長が指定する支給申請期間
ハローワークが交付する「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に印字されている

参考資料について

厚生労働省の資料等を参考に作成しました。

育児休業給付金の詳細は、厚生労働省HPも参照ください。

EIICHIでした。

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