いずれは社会保険労務士として独立したいと思っていますので、独立の参考になればと思い、タイトルに惹かれて読んでみました。
その本は、「失敗しない!フリーで個人で力強く独立できる本(中野 裕哲著 明日香出版社)」です。
本書は以下の7部構成になっています。
- フリーで働く覚悟を決めよう
- 稼げるビジネスプランを考える
- お金はどれだけ必要か?
- 成功するフリーランスに必要なスキル
- 各種手続きを済ませよう
- 失敗のリスクを避ける方法
- 経理、確定申告の方法
1.フリーで働く覚悟を決めよう
「フリーで働く覚悟を決めよう」では、主に以下のことが述べられています。
- フリーランスでは、自分の看板で勝負し、相手の信用を勝ち取る努力が必要。
- 会社員:「安定」・「守られているけど不自由」
- 個人事業主:「不安定」・「守られないけど自由」
- 中途半端なままで独立独立するのは一番ダメ!!
大切なのは「覚悟」 - 独立するなら一生の仕事として努力し続けるという覚悟をする。
- 信用、健康が大事。
2.稼げるビジネスプランを考える
「稼げるビジネスプランを考える」では、主に以下のことが述べられています。
- 「強み」を最大限に活かして「点」で突き刺さる事業のコンセプトを目指しましょう。
- 誰に、何を、どのように提供するのか。
誰に:ターゲット客層を決める。 - 何を売るのか(コンサル業なら)
次のようなことをひとつひとつ想定していく。- 誰がコンサルティングを提供する?
- どんな手法?
- それは名づけて「●●」という?
- それを導入するとどんな効果が得られる?
- 価格は?
- 提供期間は?
- 支払い方法は?
- 成果が出なかったらどうする? など
- 顧客にはどんな「提供価値」を売ることができるか。
- 「売り」は何か?
- 営業・集客方法
- オフライン集客
- 人脈・紹介営業
- 電話営業・飛び込み営業
- ポスティング
- ハンディング(チラシを路上で手渡しする方法)
- フリーペーパー
- セミナー開催
- オンライン集客
- ホームページ
- ブログ
- メルマガ
- SNS
- ポータルサイト
- オフライン集客
- WEB サイトへの流入策
- SEO対策・リスティング広告、こまめに更新する
- メルマガ、SNSなど相互に連携させる。
- プレスリリース
- クラウドファンディング、アフィリエイト
- ジョイントベンチャーのススメ
- ある事業者と別の事業者が互いに経営資源(顧客、見込み客など)を活用して共にビジネスを加速させる方法
- お互いの見込み客を紹介し合う方法
- ジョイントベンチャーの方法
- 紹介フィーを払う。
見込み客を紹介し、成約したらお金を受け取る。 - 互いに送客する。
- 送客する代わりにサービスを提供する。
- 紹介フィーを払う。
- ジョイントベンチャーを成功させる方法
- 基本的な条件を決めておく。
紹介者が成約したら売上の20%をもらうなど、誓約書を用意しておく。 - 相手に手間をとらせない。
- 分かりやすい商品・サービス
見込み客に説明する時に分かりやすい商品・、価格体系にする。 - 魅力的な商品、サービス・価格
ターゲット客層にあった魅力的な商品、サービス価格にする。 - Win Winの関係を構築する。
共に利益を上げられるように。
- 基本的な条件を決めておく。
- 屋号やサービスのロゴを作る。
- ホームページを作る。
- ヒヤリング、市場調査、競合分析をする。
- ヒヤリング:ターゲット層に近い人に直接意見を聞く
- ターゲット客層のニーズや抱えている悩みは何か。
- ターゲット客層から見て、その商品やサービスは買いたいか、魅力的か。
- 買うとしたらいくらならOKか。
- 買わないとしたら何が問題か。
- どこを改良したら良くなるか。買いたくなるか。
- 購入方法に煩わしさや問題はないか。
- 市場調査、競合調査
- 検索サイトを利用する。
検索して同業者のWebページを参考にして調査する。
- 検索サイトを利用する。
- 競合分析
- ヒヤリング:ターゲット層に近い人に直接意見を聞く
- 事業計画を作成する。
- 事業概要
- 代表者のこれまでの経験、起業の動機
- 事業コンセプト
- 市場、環境分析
- マーケティング戦略
- スケジュール
- 事業上の問題点、リスク
- 協力者
- 資金計画
- 損益計画、収支計画
- 「売上を上げられる根拠と説得力」が必要
3.お金はどれだけ必要か
- 独立するのにいくらかかるか正確に把握することが必要。
- 日本政策金融公庫、自治体の融資制度を利用する。
→審査は一発勝負。審査基準を知ることも大切。 - 補助金や助成金の活用
- クラウドファンディングの活用
4.成功するフリーランスに必要なスキル
- 1番は仕事を取ってくる能力、マーケティング、集客、営業のスキル
- フロントエンド商品(手に取ってもらいやすい価格帯の商品)、バックエンド商品(主力商品)は?
- どうやってリピートしてもらう?
- アップセルできる要素はある?
予算のある顧客に付加価値の高い商品・サービスを売る。 - ダウンセルできる要素はあるか?
予算オーバーの顧客に低い価格の商品・サービスを提供する。 - クロスセルできる要素はあるか?
ある商品・サービスを購入しようとしている顧客に対して、関連する別の商品・サービスも売る。 - パッケージセルできる要素はあるか?
セットで商品・サービスを購入してもらう。 - 値頃感はあるか?
- クロージングは「切る」こと。
「この価格以下なら仕事を受けない」という最低ラインを自分の中でルール化する。
- 対人スキル
- 人脈の作り方を学ぶ
- 付き合わない人を決める
- お金の管理能力
- 余分な借金をしない。お金を貯める。
- 絶対に滞納しない。
- 節約しもケチるな。
掛けるべきところには掛け、削るべきところは削る。
- ITスキル
- 集客:ホームページ、ブログ、SNS等
- 連絡:メールの連絡は必須。Facebookのアカウント作成も。
- 資金調達、補助金、会計:
事業計画の作成でExcelを使うのは必須。
会計ソフトのITスキルもいる。
- 積極性
- 独立したら待ちではなく、積極的に‼
- 意識して目立つ:メガネ、服装、髪型等で目立つ。
- 意識してスピーディーに動く:対応が早くて評価されることも多い。
- 仕事に追われずに未来を見通すチカラ
- 現状継続は衰退の始まり
- 時代に合わせて、新しいことをスタートさせていく。
- 忙しさのあまり、大事な時間を犠牲にしないようにする。
- 平常心でいられるチカラ
- 起業して全て計画通りいくことはないので、色んな失敗をしながら成功ゾーンを見つけていく。
- ある程度の「いい加減さ」も必要。
自分を追い込みすぎない。
5.各種手続きを済ませよう
- 円満退職を目指す。
- 社会保険の手続きをする。
- 屋号を決める。
- 事業に必要な印鑑、名刺などを作る。
(屋号が刻字されている角印) - 事業用のクレジットカード、銀行口座を作る。
- 開業届を提出する。
- お金を借りる。
- 補助金、助成金を申請する。
- 人を雇用する。
6.失敗のリスクを避ける方法
- 独立前に徹底的に調査する。
- 失敗の原因で特に多いのが事前のリサーチがあまりにお粗末であること。
- いきなり壮大な計画をぶち上げて、全くの不発で終わってしまうケース。
- 常に顧客目線で考える。
- 集客・マーケティングを戦略的に実行する。
- 拡大とリスクは隣合わせと認識する。
- いきなり広げず、足場を固めて、様子を見て徐々に広げる。
- 守りの意識を50%以上持つ。
- 負けないことを意識する。
- 契約をきちんと交わし、条件等を明確に決めておく。
- 時代に合わせて変えていく
- 3年経ったらビジネスのやり方を変えることがあるか、チェックしてみることを課題とする。
- 変えるのであれば、徐々に変えていく。
数カ月先、数年先を読みながら、常に事業を育てていく。 - 定期的に見直すことが必要。
- ひとつのカゴに卵を盛るな
- 取引先を1本に絞らないことは基本中の基本。
- 一つの事業だけを行うのではなく、複数の商品・サービスを組み合わせることを目指す。
- 相談できる相手を見つけておく
- 相手先
- 商工会議所
- ドリームゲート
- 各専門家
- 相手先
7.経理、確定申告方法
- 請求書、領収書、見積書の基本
- 見積書→契約書→納品書→請求書→領収書
※見積書の作成が最も重要
- 見積書→契約書→納品書→請求書→領収書
- 保存期間
- 見積書、納品書:5年
- 請求書、領収書:7年
- その他、確定申告、簿記、税金、税理士をつかるか等について記載されている。
最後に
本書から、独立する覚悟、ビジネスプラン、資金、スキル、リスク、その他各種手続き等についての知識を得ることが出来ました。
フリーランスとして独立を考えている方は、参考になる点もあるかと思います。
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