今回紹介する本は、「お金がなくてもFIREできる(井戸 美枝 著 日経BP)」です。
本書は、以下の構成になっています。
- FIREが与えてくれるもの
- 貯め方・使い方を変える
- 増やす
- 賢くもらう
- 受け取り方のひと工夫
- 柔軟に働く!
- 実現可能なのは、仕事や生活を見直し、給付金や補助金、リース・シェアなど、お金に関する制度や仕組みを存分に活用して、自分にとっての経済的自立と望ましい生き方を手に入れる。
- 制度や仕組みを活用することによって、収入を増やし、支出を減らすことができる。
FIREが与えてくれるもの
「FIREが与えてくれるもの」では、主に以下のことが述べられています。
- 生涯を通じてお金に困らないための3つの原則
- 収入の範囲内で生活をする。
- 借金はしない。
- この2つの原則を一生守り通す。
貯め方・使い方を変える
「貯め方・使い方を変える」では、主に以下のことが述べられています。
- 電気・ガス料金の契約見直し。
- 車や家具のリースを利用する。
- クレジットカードは手数料がかからない、一括か2回払いにする。
- 住宅ローン以外は借金しない。
- 自己資本に役立つ分野に集中投資する。
- 経済状況や景気動向に左右されず、お金を稼げるかが必要。
- 個人でもしっかり自己資本を築いておけば、FIRE後の幅が広がり、安心して小さなチャレンジが続けられる。
- 自分の収入を得る手段になりそうな得意分野や将来性の高い分野のスキルを磨く。
自己研鑽は何歳からでも遅くない。
- 考える前に行動する。
増やす
「増やす」では、主に以下のことが述べられています。
- 緊急用の資金として、現金を生活費の半年分から1年分預貯金口座にキープしておく。
”想定外”が起きても、生活を立て直せる。 - 預貯金だけでなく、”ほどよい投資”をする。
- 成功のための3つの基本
- 長期投資
- 分散投資
- 自分が購入した銘柄の値動きを気にしすぎない。
- 成功のための3つの基本
- 投資をしたくない人には、個人向け国債がおすすめ。
- 退職金は減らさずに持っておくことが大事。
- 少しでも投資をしたいなら、NISAで毎月積み立てる。
賢くもらう
「賢くもらう」では、主に以下のことが述べられています。
- 公的保険を優先し、足りない分だけ民間保険に加入する。
- 障害、遺族等の公的年金制度について
- 医療費控除について
- 医療費控除は生計を一にする家族の分もまとめて申告可。
- 所得金額が200万円以下の場合は、「所得×5%」。
- セルフメディケーション税制について
- 市販薬の購入費が年12,000円以上であれば、申告すれば超えた分が課税所得から控除される。
健康診断や予防接種を受けていることが制度適用の条件。
2026年末まで適用予定。
- 市販薬の購入費が年12,000円以上であれば、申告すれば超えた分が課税所得から控除される。
- 「ふるさと納税」について
- 一定の所得があり、所得税や住民税を納めていれば、控除が受けられる。
- 自治体の補助金・助成金を受ける。
- 雇用保険の教育訓練給付を利用する。
受け取り方のひと工夫
「受け取り方のひと工夫」では、主に以下のことが述べられています。
- 「入ってくるお金で一生暮らしていける」受け取り方を考える。
- 毎月どれくらいの家計支出が必要か想定し、次に予定収入をその金額をリストアップする。
- 老齢厚生年金の「加給年金額」の加算について
- 年金の繰上げ受給の注意点について
- 障害基礎年金、寡婦年金がもらえなくなる。
- 妻は平均余命からして長生きする可能性が高いので、年金の繰下げをして年金額を増やすことも必要。
- 妻は平均余命からして長生きする可能性が高いので、妻が1人になっても安心な資金計画を立てる。
- 妻も厚生年金に加入し、自分の年金を増やす。
- 老後は夫の収入で生活費を賄う。
夫の資金から優先的に使っていけば、夫の相続が発生した際、妻の相続分を減らせる。 - 投資信託は、値動きの大きいものから取り崩す。
- 定口法で一定の口数取り崩す。
- 高い時には多めに、安い時には少なめに受け取れる。
- 前半:定率解約、後半:定口解約という方法もある。
- 運用しながら取り崩す。
- 定口法で一定の口数取り崩す。
柔軟に働く!
「柔軟に働く!」では、主に以下のことが述べられています。
- 無理のないペースで仕事をしていくことを考える。
- FIREした後は、自由に柔軟に働く。
- 好きなことがお金になる状態へ変えていくことを考える。
- その時々の状況に応じて、臨機応変に違う仕事に移れば、いいという考え方でやっていく。
- 仕事選びは、柔軟性を第1に考える。
- 1人でもできる仕事をして、うまくいかなければ、別の仕事をすればいいと気楽なスタンスで取り組むことが大切。
- 好きなことがお金になる状態へ変えていくことを考える。
- やれそうだと思う仕事が、2,3見つかったら、それらを並行しながら続けていく。
- 新しい人間関係を築いていくことが大切。
- 複数の仕事でリスクヘッジにもつながり、人脈などの面でシナジー効果を生み出すことも期待できる。
- FIREに役立つ資格:人間と関わる資格
自分と異なる価値観や考え方を受け入れ、コミュニケーションをとっていく能力。- 資格取得は出発点で、仕事に生かすならむしろ”合格後”が大事。
- 専業主婦も地域でどんなニーズがありそうかを「観察」して、ニーズがあり、人生経験を生かせる資格取得を目指す。できるだけ早く実行する
- クラウドソーシングを活用して仕事を行う。
- 期間限定で全く違う仕事に挑戦してマインドをリセットするのも一法。
期限付きワークで「一度やってみたかった」ことにチャレンジする。 - 仕事探しの第一歩は、「こんな仕事をしたい」「こんな勉強をしている」と周囲に伝えることから始める。
- FIREした後の仕事は、お金を貯めることが目的ではなく、面白いから続けていける。
- メールやリモートでは「伝え方」が大事。
最後に
タイトルに興味があり読んでみました。
内容は、完全にリタイヤすることではなく、様々な制度を有効に使い、経済的自立を目指すというものでした。
著者はこれを「ライトFIRE」と名付けています。
投資からのリターンだけで生活するとなるとハードルが高いですが、様々な制度を上手に使い、もらえるものはもらい、節約できるところは節約し、かつお金に縛られない自分の働き方をするというのは一法だと感じました。
まずは、自分が実行可能なところから始めていくのもいいかもしれません。
私もFIREしたら、会社を離れて、フリーランス(個人事業主)として、柔軟にかつ自由に働いてみたいと考えています。
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