「複業力」で変わる働き方、そしてお金と自由『ポートフォリオ型キャリアの作り方』

本の書評(おすすめの本)

現代社会は急速な変化をとげており、一つの職業に依存するリスクが高まっています・
複数の収入源を持つことが重要になってくると思われます。
そのような「ポートフォリオ型のキャリア」をもつ重要性について書かれている本を紹介したいと思います。

「ポートフォリオ型キャリアの作り方」(染谷昌利著 インプレス)


本書は、以下の7部構成になっています。

  1. ポートフォリオ型キャリアが求められる理由
  2. 言語化力
  3. セルフプロモーション力
  4. 発信力
  5. 複業力
  6. コミュニティ構築力
  7. 継続力

1.ポートフォリオ型キャリアが求められる理由

「ポートフォリオ型キャリアが求められる理由」では、主に以下のことが述べられています。

  • 先が見えないこの時代、収入源を1社に依存するのは不安、リスクにもなる。
    複数の収入源を作っておくこと、ポートフォリオ型のキャリアを構築しておくことで回避可能。
    複数の収入源があれば人生の選択肢を増やすことができる。
  • 今すぐにでもできること
    ①自分のキャリアを棚卸しする。
     →自分のアピールポイントを整理する。
    ②情報発信力を鍛える。
    ③自分の趣味がお金にならないか調べる。
    ④勉強会やイベントに参加する。
    ⑤自分を中心としたコミュニティを運営する。
  • 個人が多様なスキルを持つことで、キャリアの選択肢を広げ、経済的にも精神的にも豊かな生活を送れる。
  • 多様なスキルを実際の経験を通じて持つことが求められる。
  • 副業と複業の違い。
    *副業は本業を補完することが多い。
    *複業は、複数の職業やプロジェクトを並行して行い、
     キャリアを多角化し、リスクを分散させるアプローチ。
  • 「複業」と「ポートフォリオ化」の違い。
    *複業は、実際に複数の業務に取り組むこと。
    *キャリアのポートフォリオ化は、個々の仕事やプロジェクト、成果物、スキルを
     一つの大きな枠組みの中にまとめ、自分自身の独自性や専門性を強化する方法。
  • ポートフォリオ型キャリアが求められる理由
    *労働市場の変化
     →単一の職業やリスクに依存するリスクが高まり、
      多様なスキルを持つことが求められている。
    *個人のライフスタイルや働き方に対する価値観の変化
     →個人は自分の趣味や情熱を追求しながら、
      異なる仕事やプロジェクトに取り組むことが可能
  • キャリアの棚卸方法(実際のポートフォリオ化方法)
    *とにかく書き出す。
    *「好き嫌い」「得意・苦手」「現実・理想」で分類する。
      →自分の特性を可視化する。
    *アウトプットして整理した要素を組み合わせて、ポートフォリオを完成させる。
  • ポートフォリオ作成のポイント
    ①誰に向けてのポートフォリオが意識する。
    ②経験、スキル、実践等のカテゴリーに分ける。
    ③グラフ、写真等を活用する。
    ④強調したい実績はハイライトにする。
    ⑤箇条書きではなく、物語の要素を入れる。
  • 1.5流レベルを組み合わせて自分だけの「場」を作る。
    *ある程度のレベルに到達した他のスキルの向上にパワーを注ぐ。

2.言語化力

「言語化力」では、主に以下のことが述べられています。

  • ポートフォリオ型キャリアの構築に言語化力の必要性
    ※自分のキャリアは自分で言葉に変え、相手に届けなければ存在していないのも同じ。
    ①キャリア整理の明確化
     EX.3年営業をして顧客ニーズの把握に努め売り上げをUPした。
    ②自己理解の深化
     →自己理解を深める重要な手段。
    ③ポートフォリオの構築
     →ポートフォリオを構築する基礎。
    ④第三者へのアピール
     →第三者へのアピールとして重要。
  • 「言語化力」の『明確な主張』と『伝える目的』について
    *主張の明確化について
     ・自分の経験や信念を振り返る。
     ・主張を語る。
     ・具体例を挙げる。
     ・対立意見を考慮する。
     ・読み手の支店を意識する。
    *目的の設定
     ・主張を伝える目的を設定する。
  • 文書のクオリティを決める三つの要素
    *コンテンツ:何が書かれているか
    *形式:適切な文書校正、PREP法
    *色:個性やキャラクター
  • 5W3H1Rを意識した文書の組み立て
    *When、Where、Who、What、Why、How、How many、How much、Result
    *5W3H1R:情報の抜け、漏れがなくなり、詳細な文章を作成できる。

3.セルフプロモーション力

「セルフプロモーション力」では、主に以下のことが述べられています。

  • 自分を売り込む力が「セルフプロモーション力」
  • 「セルフプロモーション力」を強化する施策
    ①自分を一言で表す。
     →・スキルや経歴の棚卸しが必要。
      ・キャッチフレーズを作成する。
    ②小さな分野のトップランナーを目指す。
    ③コンテンツとコンテキストを意識する。
     ※コンテキスト:文脈、背景、キャラクター等、誰が言っているのか、
             どのような背景を持つ人物が発信しているのか
    ④自分のキャラクターを構築する。
     →適正な言葉で自分を表現し、発信するメッセージと矛盾しない
      キャラクターを作り上げる。
    ⑤対象に応じたプラットフォームを選択する。
     →伝えたい相手に効果的に情報を届ける。
  • 個人ブランディングのポイント
    ①自分の強みを明確にする。
    ②一貫したメッセージを発信する。
    ③本物感を伝える。
    ④ライススタイルを共有する。
    ⑤ストーリーを作る。
    ⑥信頼を築く。

4.発信力

「発信力」では、主に以下のことが述べられています。

  • 「伝える」ことの重要性。
  • 発信しないと認知されない
  • 発信しなければ、可能性ゼロ。
    *情報発信力を高めることで、自分自身や自分のビジネスの認知度を
     飛躍的に向上させることができる
  • 発信力を持つことで得られるメリット
    ①収益化の準備ができる。
    ②ビジネスを始める前に見込み客やファンを構築できる。
    ③自分の専門知識や経験をアピールできる。
    ④人的ネットワークの構築。
  • 発信のテーマやコンセプトを明確するステップ
    ①自分の得意分野や興味を見つける。
    ②自分のポジションと想定読者を決める。
    ③発信の目的やゴールを設定する。
    ④実践する。

5.複業力

「複業力」では、主に以下のことが述べられています。

  • 複業は単なる収入源の一つではなく、個々のキャリアを強化する重要な手段。
  • 複数のスキルと経験を積み重ねるポートフォリオ型キャリアへのシフトは、リスクを分散し、経済的な安定と成長をもたらす。
  • キャリアのポートフォリオ化
    *異なる業種や職種での経験やスキルを積み重ね、
     それを組み合わせて一つの強みを打ち出すこと。
  • スキルや得意分野の認識
    *自分の得意分野と実績を明確に示す。
  • ポジションと求められる役割
    *最適な役割を見極め、プロジェクトに対する貢献の方法を具体的に説明する。
  • 案件にマッチしたプロフィールを作成する
    *スキルや経験を簡潔かつ明確に示す名刺のようなもの
  • 案件やプラットフォームにマッチした志望動機を作成する。
    *具体的にかつ情熱的に書く。
    *その案件に適している理由を明確に伝えることが重要。
    *過去の実績、スキルがどのように役立つか具体的に示すことが必要。

6.コミュニティの構築力

「コミュニティの構築力」では、主に以下のことが述べられています。

  • コミュニティに属するメリット
    ①人的ネットワークの拡大
    ②新しい知見を得ることができる。
     *他メンバーから学び、フィードバックを受けられて自分のスキルUPができる。
    ③同じ方向性を持つ仲間と出会える。
    ④学びを継続的にモチベーションを保てる。
  • 複数のポジションで活動するためには、一人で頑張るのではなく、コミュニティの力を借りることも大切。
  • 自分が主導するコミュニティ構築の方法について
  • コミュニティの利点
    *一人では不可能なことをコミュニティが可能にする。
     →コミュニティ内で情報共有することにより、自分一人で困難なことも解決が可能になる。
    *スキル不足や時間的制約の解消
     →コミュニティ内の専門性のある人に依頼する。
    *価値観共有による強固な関係性
     →・価値観や目標が共有されており、細かい説明やミーティングを省略できる。
      ・メンバー同士の信頼関係が高く、お互いに助け合うことが自然に行われる。

7.継続力

「継続力」では、主に以下のことが述べられています。

  • 初めの一歩を踏み出すことはどんな目標やプロジェクトにおいても不可欠なステップで、1歩を踏み出した後に必要なことは「継続」する事。
  • 継続するための7つのステップ
    ①小さく分解する(続けられるサイズにする)
     →小さなステップに分けて取り組む。
    ②何でもいいので始める。
     →行動を起こすことが大事。
    ③日常を組み合わせる。
     →既存の習慣を結びつけることで、新しい行動が自動的にセットされるようにする。
    ④記録し、継続の可視化を行う。
     →記録を途切れさせたくないという心理が働き、習慣化につながる。
    ⑤作業項目のスタンプラリー化をする
     →特定のタスクを達成するごとにスタンプを押し、一定の数が集まったら、
      自分へのご褒美を設定する。
    ⑥3ヵ月前の自分と比較する。
     →自己の成長の振り返りを行う。
    ⑦慣れてきたら新たな負荷をかける。
     →少しステップアップする。
  • 継続力を高めるマインドセット
    *グロースマインドセット(成長思考)寄りに思考をコントロールする。
     →少しでも成長思考を持ち、前向きな行動を取ることが継続による成功の近道。
    *Whyを思い出す。
     →継続力を高めるためには、自分が「なぜ」その目標に向かっているか、
      目的を常に思い出すことが大切。
    *エネルギーマネジメント
     →・エネルギーが最も高い時期に難しい課題に取り組む。
      ・起床後や昼食後に重要なタスクをすると効果的。
      ・意識的に休憩を取り入れる。
  • 生成AIの活用術
    *生成AIのを活用するメリットについて書かれている。

最後に

現在は、多様な働き方が認められ、自分のキャリアを見つ直す必要性を感じます。
また、人生100年時代のこれからの時代を生き抜くために、1つ職業に依存するリスクに対して、複数の収入源を持つきっかけとして、複数の資格や手段を持っておくことで、人生の選択肢を増やすことができ、ポートフォリオ型キャリアの重要性が認識できました。

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